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DX時代の本質はデザインすることにある。


記事公開:2021年12月23日

※MA:当社のマーケティングアドバイザー

MA
今日は「本質は最も身近に表れる」を、DXの現状に絡めてみんなとディスカッションしよう。
真弓先輩
今年もDX関連ではいろいろな話題がありましたが、特に生活や仕事が大きく変わったということはありませんでしたね。これはDXを身近に感じられないというところが、アドバイザーの言わんとしているところでしょうか?
MA
そうだね、DXは企業や個人で、「一番身近にこれが変わったね、これが助かるよね」、というようなことに気が付くことが多くなった、そしてそれが普通になって、あまり気にならなくなって、いつのまにか生活やビジネスに溶け込んでいる状態がいわゆる普及された状況、それが身近に表れることを指している言葉でもあるよね。
アイ
なるほどDXって、ワードとしては飛び交っているけれども、一向に身近なサービスや実態が見えないような感じですね。というか、DXが「デジタル化というモノ」に置き換わっているだけのような感じですね。
MA
話を少し別の観点で考えてみるね。前にアップル、スティーブ・ジョブスのすごさって、すぐれたITやデジタルガジェットを開発したのと同時に、それらを用いたビジネスや生活のスタイルを提供したことにあるということを書いたのは覚えているよね。
真弓先輩
もちろんです。いわゆる製品を作って売るというプロダクトアウトからさらに俯瞰して市場を見るようにしたこと。それらの製品を用いたルールや規範を構築したことで、アップル製品を使わざるを得ない状況を作った・・・ということですね。
アイ
それにMAも言ってたように、そこにはマーケティングが不要だった。う~ん・・・いや、少し違いますね。正確には、その前までに十分なマーケティングの試行錯誤の末に、活用するための文化やビジネススタイルのデザインを行ったということですね!
MA
今回言いたいことは、実はDXは「デザイン」であるということなんだよね。デザインする力と言うと漠然としているけど、目的を見極めて、達成するために必要な様々な要素、企業、組織、人やITツールなどを活用したイメージを明確に構築して、物事を進める力なんだよね。ITやDXはその構成要素の一つなんだよ。それに伴って高度に進化を遂げている、ITと通信インフラ、アプリケーションというようなデジタル寄りのことは極めて重要な要素だということはもちろんの事として。
アイ
なるほど、デジタル化とDXデジタライゼーションは、似てるけど相当に違うということがわかりますね。
MA
それにね、極端な話だけど、そもそも、ある部分についてはデジタル化、ITが不要であるということだってあるんだよね。なんでもかんでもデジタル化で盲目的にデジタルに置き換えて、「さあDXだ!」みたいな進め方は一種の思考停止状態ともいえるね。そういうDX推進には、我々のようなプロ企業が明確にデザイン力を持って企業や地域に提案、告知する義務があると思う。もちろんそこには、ビジネスとしては対価が発生する。そして、税金や地域力となり確実に還元される。

全体と少し先を見切る力と自分の限界を知る能力、そしてできる能力が分かる人

アイ
うーん、デザインすること=本質を見極める力って、なかなか体得しにくくないですか?
真弓課長
そうそう、経験からその力は会得するもののような感じですね。
MA
そうだけど、いつもそういう意識を持っていないと、物事の重要性や本質的なものの価値をわからないまま、唯々諾々と仕事をしたり生活したりすることになるよ。なので、経験は必要だけど、常にそういう意識を持たなくてはいけないね。
真弓課長、アイ
了解です!
MA
ところで「アマデウス※」という映画を見たことはあるかな?天才モーツアルトの物語だったけど、狂言回しのサリエリを通して、映画が進むんだけど、本当に面白い、今回のテーマにぴったりだよね。

※映画:アマデウス(配給・公開:アメリカ_1984年オライオン・ピクチャーズ/日本_1985年松竹富士)

真弓課長
私も見ました。モーツアルトの能力を誰よりも理解しているサリエリ、彼のような人こそが、今最も必要な能力を持った人と言えるということなんでかね。映画では嫉妬から残念な展開でしたけど・・・。
MA
でもサリエリのように「自分の能力(限界)を知る」、と同時に本当の優れた能力や物事、つまり本質を理解できる力はとても重要だね。なぜかというと、あらゆる面での多様化が進み、人のスキルや仕事の仕方も多様化、多能工化して、仕事を行うためのICTなどのインフラも劇的な進化を遂げており、それらビジネスを取り巻く環境は一気に複雑化している。それらを統一的にデザインする能力を持った人が特に重要な存在となっているから。
真弓課長
自分の限界やできる能力を把握できるからこそ、いわゆる必要な人材、能力、組織をアロケート(適正に配置)することができるということですね。
アイ
つまり何かを成し遂げるに必要な人やリソース、スキル、人、企業、組織をアサインしてプロジェクトだったりムーブメントを完成、完遂したりできるむしろ得意な分野を生かせない場面こそが最大の無駄になる天才でなくても、ある種の優れた能力を見極めるということは大事ですね。
MA
一般的に勘違いをしている人や組織、企業は、その自らの価値や優先度を客観的にとらえる能力に欠けていることが多いよね。GAFAが独占的に富を得ているという表層的な事実に、なんやかや言う人達もいるが、果たしてその指摘は当たるのだろうかね?だってそもそも一様にその機会と能力などはあったはずなのに、結局多くはGAFAなどのデファクトスタンダード、プラットフォーマーに従わざるを得なくなっているのが現実じゃない?ほとんどの日本のITベンダーがそうだけど。

DXが苦手な企業の言い訳

MA
まあ、さて今年の締めとして、年内に実施した県内企業の調査結果や個別のヒアリングでのDXやIT関連の結果から聞こえてきた声としては、こんな感じの話にまとめられるね。まあそうかなという結果だね。来年に向けての課題としてみんなで共有して頑張りましょう。
真弓課長、アイ
はいー!

「調査の要点コメント」
「ITやDXに回せる資金が無い。社員も教育する時間もリソースもないために、難しい。」
ビジネスは動いているわけで、動かすための資金やリソースは当然必要なはずだ。そう考えると、活用や捻出努力に至っていない状態ともいえる。しかし考えてみれば、モノを仕入れたり、販売したりというコアな事業があるとすると、そこで売り上げを高めたり、販売管理費などを押さえたりすることは、事業として極めてまっとうな活動であり、それを行うことが、経営者や企業のやること。事業活動や教育にお金を掛けることで、コア事業を前進させることが目的なら、進んでIT、DXを取り入れることが必然。

「自分の仕事や業態がDX、ITを活用する規模ではない、必要ではない。」
 DXやITは、生産性向上やコスト削減の打開策等から始まった、特定の規模や業態に限った範囲での利活用だけではなく、企業の経営戦略に活用するということが目的だったはず。そう考えると、使わない手はないはず。規模や業態が合わないという先入観を捨てて取り組む意思を持つべきだ。

「今の仕事や取引先が順調なので、いままでのやり方を変える必要はなく、今のままで十分だ。」
 これは、よくありがちな勘違い。今の良い状態が未来永劫約束されたことではない、という事実に気が付く必要がある。ITはオンプレからクラウドへ、サービス化に大きく進展しているなかで、従来の仕事の仕方、あり方は急激に変化、進化している。そんな中で、たまさか現状が良好という理由で展望もないまま、旧来の仕事のやり方で進むことが良いと言い切るのは難しい。今のスタンダードが数年先に変わることは、歴史が物語っている。

「DX、ITがいまいち」な企業で共通しているのが、以下の5点だ。
1.今の仕事のやりかたで十分だ
2.今が大変なので、これから先のことを考える余裕がない
3.資金も少なく、規模も小さいので、新しい仕組みに作り、構築に踏み出せない
4.社内に分かる人がいないので、進めることができない
5.自分のこととして考えられない、必要性を感じられない

共通しているのが、現状の維持に対する意識である。そして「未知なる何か」をきっかけにうまく行くことをじっと待っている。そういう選択が全く悪いとは思わないが、隅発的な可能性にかけるやり方ではリスクが大きい。また他でうまくいっていることを批評したり、うらやんだりしても、何も変わらない。やはり「進む意思をもってまず動く」ことが、その一歩だ。動き方については1年間のこのコラムを今一度読み返して頂ければ答えが見つかるはず。デザインされた思いの中に本当に必要なこと、そこにDXやITなども見えてくる。

「編集後記」
2022年がどんな1年になるかは、不確実ですが、明確になっているのは、DXや働き方の変容は間違いなく進まざるを得なくなっていることです。皆さんとともに少し先の未来を見て、そして本質とは何かを考えて、より良い1年を過ごせることを願っております。また来年のDX通信でお目に掛かることを楽しみにしております。よろしくお願いします。
編集長 伊嶋謙二

れんらくちょうのデジタル化

みなさん初めまして。エイデイケイ富士システム営業の渡辺(哲)です。

営業コラムは2021年最後の回となりました。
この1年を振り返ってみると、暮らし方の変化にあわせて身の回りに電子化の流れが押し寄せてきたように感じます。
その中のひとつに、保育・教育施設など(以下「こども施設」という。)で使われる「れんらくちょう」の変化がありました。

今回のテーマは、家庭とこども施設との連絡手段についてです。

<連絡帳の今と昔>
みなさん自身が、あるいはみなさんの子供が使っていた連絡帳は、どのようなものでしたでしょうか。
私の子供が通うところでは、体調、食事、睡眠、排泄、遊びの様子などが書かれており、日々の成長がうかがえるものとなっておりました。(特に今は、保護者がこども施設内に入ること自体制限されていますので、とても重宝する記録です。)
その連絡帳が、今年から徐々にスマートフォン向けアプリへと移行していったのです。

正確にはこども施設向けの業務支援ツールでして、保護者側は対応アプリをスマートフォンにインストールします。
これまで手書きで小さな帳面に書いていたものが、スマートフォンでタプタプと入力していく形となったのです。
また、上記の連絡だけでなく、お迎え時間の連絡、電話で伝えていた休みの連絡、アンケートの送信、お便りの受信などもアプリ上でできてしまいます

……仕事上こういうモノを提供する側だったのですが、使う側になってみてその良し悪しに気づくという、貴重な経験を得られました。

<デジタル化の必要性>
連絡方法が電子化された以上、あの可愛らしい帳面は姿を消すことになります。
会社で書類決裁を電子化するのとは違い、少し寂しい気持ちになりました。

ここでひとつ思ったことが、デジタル化する必要性についてです。

2020年10月20日に文部科学省より
「学校が保護者等に求める押印の見直し及び学校・保護者等間における連絡手段のデジタル化の推進について」
という通知が発表されておりました。
ここで挙げられた「連絡手段をデジタル化する具体のイメージ」を例に、考えてみます。

1.連絡のオンライン化
⇒「電話連絡が朝の時間帯に集中する」というのは、保護者にとってもこども施設にとってもネックとなりますね。

2.お便りの一斉配信
⇒ペーパーレスはもちろん、渡し漏れや紛失を防げます。(あと、印刷する・折りたたむ・連絡帳に添えるといった手間も省けますね。)

3.アンケートの集計
⇒保護者はいつでも回答できますし、自動集計されれば職員の負担も減り、すぐに共有できます。(催促するにしても、口頭よりは負担が少ないかもれません。)

あれこれ理由はありますが、デジタル化によってお互いの手間や負担を減らすというのが一番の理由かもしれません。
心に余裕を持たせて、子供に目を向ける時間を増やすことができればいいのですが、まだ運用が切り替わったばかりでてんやわんやだったりするのが現実です。

<最後に>
今回お話したのは、私個人が体験したデジタル化移行についての出来事です。
私の子供が小学校、中学校と進んでいく中で、また新たなデジタル化に出会うのでしょうね。

特に、小中学校の連絡網は昔とガラリと変わっています。

弊社での導入実績もある「さくら連絡網」(株式会社マンタ様運営)では、メールやアプリだけでなくLINEを使った連絡網もあります。
固定電話がない家庭もありますから、昔のようにクラス中の連絡先が公開されたら一大事でしょうね。


私も、親として、会社員として、デジタル化の波を乗りこなせるよう励んでいきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

<問い合わせ先>
エイデイケイ富士システム(株)
地域情報ソリューション課 地域営業担当
TEL:018-838-1173

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