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DXはすべてを変える・・・?【あきたDX通信】

記事公開:2020年12月10日

★ DXはすべてを変える特効薬なのか、でもその前に? ★

ともみ
ITといっても幅広いですよね。PCもそうだし、スマートフォンだってIT。しかもネットワークもあればアプリケーションもある。企業で使うのもあるし、個人で使うのもありますよね。
真弓先輩
ん??何が言いたいわけ?
ともみ
いや、DXって言われていますけど、すでにほとんどデジタル化されているじゃないですか!家でも会社でも!
真弓先輩
前にも言ったけど、DXとデジタル化というのは、厳密にいえば同じじゃないのね。でもほとんどの仕事での業務処理やコミュニケーションはもはやデジタル化されつつあるし、日常はITなくして進まないようになっているのは確かだね。
ともみ
そうそう、今はコンピュータを使って仕事をするって意味だと、ほぼ全部ITで仕事をしているとは思いますが・・・
真弓先輩
でもね、デジタル化=コンピュータ化として考えると「早い、正確、便利」という申し分のないツールであるのは間違いないけど、ITやコンピュータがそれだけでの目的ではないんだよ?逆にいえばそれだけ?ということを考えて欲しいかな。
ともみ
難しいですね。ITはそれだけではダメなんですか?
真弓先輩
その目的だけで良い時代は過ぎていると思うんだよね。つまり経費削減とかの意味でコンピュータが注目されたのは、OA(オフィス・オートメーション)というころの世代。そのあとIT(インフォメーション・テクノロジー)ということで、看板が変わったはずなんだけど、実際はさっき言ったように「早い、正確、便利」ということから、進んでいないように感じない?
ともみ
もしかすると、「経営に役立つ」ことや「売上に結びつく」ことへ、IT活用の視点が無いということでしょうか?確かに身近な企業ではコンピュータを企業活動にきっちり使っているように思いますが、いわゆる「ITの戦略的な活用」というのは案外少ないかもしれないですね。
真弓先輩
企業戦略にITをバリバリ使っている企業は、多くはコンピュータの開発や運用の担当者を置いているからね。
現実は、総務や経理などの兼任でITを動かしている企業がまだまだ多いかも。
ともみ
そうすると経営に役立つITを得るために、ユーザ企業自身だけで企画、構築するのは大変ですね。
真弓先輩
だからこそ、SI会社やコンピュータ販売店が必要になってくる。企業にとっての相談相手であり提案者だね。
ともみ
そういえば日本の企業は、欧米と違って、パッケージシステムとかを使わないで、自分独自のシステム構築をしたがるということを聞いたことがあります。

でもコンピュータのシステムをその企業に合わせて開発する(カスタマイズ)となると、結構なお金がかかるわけで、規模の小さな会社はなかなか外部に委託しにくいですね。
真弓先輩
それもそうだし、日本の中小零細企業ではコンピュータの知識が乏しい、スキルを持った人が少ないということも、ネックになっているね。

つまり外部に委託するにしても、誰に相談するか、何を元に社内のITシステムを進めるべきかなどの、導入の前段のところで情報不足などで、うまく進めないケースが多いね。

★ SI企業の課題と中小企業の課題 ★

ともみ
弊社のようなSI会社の出番じゃないですか。
真弓先輩
でもね、パソコンやプリンターを買うわけではないので、それなりに企業の内部の状態を確認する必要があるのよ?事前にいろいろと企業のヒアリングをした上で、最適な提案するのには時間がかかる。そのうえで、パッケージの選定・納入やシステム開発などの段取りを経て導入となるの。
ともみ
なるほど。時間もかかるし、人手なども必要になってくるということですね。
真弓先輩
なので、SI企業がどんな企業に対しても、しっかりとしたIT提案活動を行い続けることは難しいのよね。それはどこの地域でも同じことだと思うし、SI企業の最大の課題なの。
ともみ
提案に行かなければ、小規模な企業もますます提案先や相談相手がいなくて、ずっと経営課題に役に立つITシステムを得ることができないという悪循環になるじゃないですか!
真弓先輩
でも、今は安くてすぐに使えるITシステムも結構増えているんだよ?クラウドサービスということでいえば、サブスクリプションとして、月額料金などで非常に安いITシステムを使えるということはいえるけど。しかし、そもそもそのクラウドサービスを知らないことが多いのが問題ね。
ともみ
どういうことですか?
真弓先輩
考えてみて。企業に情報システム部門が無い、または兼任ということは、ITやコンピュータなどに精通した担当者などがいないことが考えられる。社長などが技術に明るくて自分でITの利用なども進んで行う企業もないことはないけど、そんなに多くはないはず。
ともみ
なるほど。自分自身でIT技術を使って企業活動に役立つようなシステムを構築したり、見つけて利用したりするためには、誰かに頼らざるを得ないわけですよね。でも自社内にはリソースが足りないため、情報を得る機会も少なくなるということですね。
真弓先輩
そう、問題はその辺だね。誰に相談するか?誰がサポートしてくれるのか?そのあたりが全国の中小企業の最大の課題だね。

そういった中小企業の課題を解決するために、今経産省が「 中小企業デジタル化応援隊事業」をやっているんだよ(※)中小企業の経営課題をデジタル化で解決するための相談をIT専門家に格安でできる施策ね。
※2021年2月末まで
ともみ
わが社も当事業の事務局パートナーとして中小企業をお手伝いしていますよね。

そうすると今お話ししていた課題である、最新の技術やサービスなどの情報を得たりとか、クラウドサービスなどを直接ダウンロードして活用したりとか、ボトルネックとなっているIT活用の前提が気軽に相談できる事業というわけですね!
真弓先輩
そもそも、安くて便利なクラウドサービスなどITの企業活用などを最も利用してもらいたいはずの規模の小さな企業ほど、実は利用できにくいというジレンマ※が起きているんだよね。DXを考える前に、現状のITシステムと経営との関係性、連携性などを綿密に把握することが肝心だね。
ともみ
気軽に事業を使って相談してくれたらいいですね(*´ω`*)

※規模が小さくて、数の多いビジネスは、手間をかけずにオートメーション的に売るのが良いというのが、売り手側の都合。現実は、数の多い小規模企業ほど、ITのリテラシーやリソースが不足しており、売り手側の思いとは全く逆に、人手や時間がかかる。そのため、クラウドサービスなどの企業自身が扱うことが多いサービスほど、小規模企業にとってはハードルが高いというジレンマ。

ともみ
次回は真弓先輩よりDXの前にITシステムと経営という指摘があったので、
DX、経営、IT・・・この三位一体の重要性
について考えてみます! 乞うご期待!

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あきたDX通信>>>>> 編集長 伊嶋謙二 /// 編集スタッフ 堀井ともみ /// 主幹:鈴木守 /// エイデイケイ富士システム株式会社 DXセンター